敷地面積49坪。市内の住宅地としては一般的な広さである。この敷地に車4台駐車できるスペースを確保しながら庭を設けること。また、夫婦の寝室は居間と浴室と同一階とすることが施主からの条件となった。
車社会となった今日、駐車スペースをどうするかが、建物の外観や町並みに大きく影響を与えている。今回は2台を建物の中に、2台はアプローチ兼用スペースに駐車することで条件をクリアーした。また、アプローチの突き当たりに庭を設け、大きな引き戸でアプローチと分離している。庭は板塀とコンクリート打ち放しの塀によって隣地からプライバシーを確保し、小さいながらたたずまいのある庭作りを心がけた。
この地域はまだまだ2階建の建物が多いため、前面道路に面した部分のボリュームをなるべく押え周辺への影響を最小限にするようなデザインとした。外壁に押出し成形セメント板と黒のガルバリウム鋼板を使い、安定感を表現した。
建物を前後で2分するように階段室が設け、各スペースは階段室からアプローチすることにより省スペース化を試み、夫婦と子供2人の4人が長く生活できるようにタイムスパンの長い家作りをこころみた。